「令和」と攘夷・討幕運動
「令和」という新元号の公開直後は,好意的な感想が多く報道されていた。天皇崩御に伴う改元ではないので,祝賀ムードを演出するための常識的な姿勢だったと考えられる。
1日経って,「海外からの反応」という形で,今度は批判的な意見が報道されている。「野党からのコメント」という形もある。
中国の古典ではなく日本の古典から引用したことや,「昭和」の「和」をすぐに再利用して戦争の時代を肯定的に捉えているとか,「Reiwa」の「R」は「Right」を示しているなどとして,「安倍政権の右傾化を警戒」とか,「命令」を好み「和」を大事にするという,「長いものには巻かれろ」的な日本人らしさを示すとか,「いちゃもん」のような話もあるが,慣れるまでは違和感を覚えてしまうのは,ごく自然なことだろう。
「違和感」という自然な感情を押し殺す「空気」の力は絶大なものである。「おめでたいことへの違和感を公の場で口に出すことはいけないことだ」という抑圧的な感情は,「常識が通じない他人に代弁させること」(あるいはそれを攻撃すること)で満足し,解消できるというメカニズムもある。
攻撃している相手の立場にそのまま乗っかってしまうためには,新たな敵をつくる必要がある。幕末は天皇の権威が利用され,幕府という権力が倒されることとなった。
「令和」の時代に同じようなことが起こるだろうか。
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